越前市の伝統産業の一つ「越前和紙」をスクリーンに活用したオフィスを設計した。透ける和紙のスクリーンがワンルームを機能別に緩やかに分け、将来的なレイアウト変更も容易に行えるように、置くもしくは吊るすだけの設置としている。スクリーンのフレームは、設備用の真鍮パイプとコネクターを利用し、工場製作かつ工種を増やさない工夫により、費用と工期を抑えることが可能になった。
越前和紙は手漉きで多くのパターンと透け感を調整できるため、本件でも数種のパターンを取り入れた。それぞれが透けて重なり様相が変化する。一方、印刷や壁紙への応用など、新しい取り組みも多く、サインや看板にも和紙を活用できた。
和紙は半永久的な素材ではないため、ある程度時間が経てば張り替えを行う必要がある。中小企業診断士のオフィスに地場に根付いた産業を活用することで、継続してその関係を築いていく仕組みを取り入れることができた。
all works